TOP > 長野県にお住まいの皆さまへ > 長野県医師会の活 > けんこうの小径 > 若里だより > 薬剤の流通における透明性の確保を 
―院外処方において薬の信用性確保は必須―

薬剤の流通における透明性の確保を ―院外処方において薬の信用性確保は必須―


先日慢性C型肝炎治療薬ハーボニー(薬価54796.90)の偽造薬が、大手薬局チェーン店より処方されたというニュースがありました。このニュースの中で特に気になったのが、薬剤流通の不透明性です。記事によりますと、ハーボニーの偽造薬は卸売業者に個人が、添付文書が無く、箱に入っていないハーボニーのボトル(28錠入り)を持ち込んで、売られました。そのボトルを、大手薬局チェーンが、一瓶あたり数万円安いという理由で購入され、調剤薬局で処方されています。その薬を持ち込んだ個人はともかく、偽造薬を購入して販売した卸売業者や偽造薬を購入して処方した大手薬局チェーンは、経済性のみを考えていて、医療の安全を優先するといった医療人としての気概が感じられません。

以前より現金問屋における薬剤流通の不透明な部分が噂されていましたが、こうなると調剤薬局の処方を信用してよいか疑問です。院外処方では、処方箋のとおり調剤されることが大前提です。薬剤流通の透明性が確保されることを望みます。